インバウンドプロモーションとは?
今さら聞けないインバウンドプロモーションとは?
昨今よく耳にするようになってきましたインバウンドプロモーションですがどの様なものなのか?訪日外国人観光客へ対して、自社商品やサービス、観光スポットなど含めて適切な紹介、PRを行う広告宣伝や販促活動になります。
インバウンドの意味
「インバウンド」とは訪日外国人旅行を指す言葉です、逆に海外旅行はアウトバウンドという言葉で表現されます。
もともとインバウンドは「内向きに入ってくる」という意味があり、それ以外にもマーケティング分野で使われている言葉であり、コールセンターの問い合わせなどの意味で使われたりしておりましたが、近年では特に訪日外国人旅行を指す言葉として広く使われるようになった経緯があります。
日本政府も力を入れるインバウンド
日本政府は、現在観光立国の実現に向けて、より多くの外国人訪問客、すなわちインバウンドの増加に向けた方針を次々と打ち出しています。その背景や目標、具体的な方針などを見ていきましょう。
日本政府がインバウンドの呼び込みに力を入れる理由は、2009年頃からすでに人口減少社会へと転換していて今でも1億2,000万人を超える人口をなんとか維持してはいるものの、将来的には1億人を下回ると推計されています。
人口減少に転じる中で、さらに人口全体の高齢化も進んで、労働人口も減少することとなるため、日本経済は自力での経済生産にのみ頼る限りでは、衰退を免れられません。
しかし、世界的に見れば、世界全体の人口は未だに人口爆発の途上にあり、新興国の台頭をはじめとして、世界全体の経済も大まかには成長基調を維持しています。
そこで、日本の経済力を維持するためには、台頭しつつある海外の経済圏の経済力を取り込むことが望ましいと考えられました。政府が観光立国を目指して外国人観光客を呼び込もうとする姿勢には、このような背景があるのです。
政府の達成目標として、もともと観光立国の実現が目指された当初は、日本へのインバウンドは1,000万人にも満たず、フランスなどの観光大国と比較すると、ほとんど観光先としては顧みられることのない状況でした。
そこで、政府は当初は、2020年までに2,000万人の外国人訪問客の誘致を目標に、免税店を導入したり、外国人向け無料Wi-Fiスポットを整備したりなどのサービスを展開してきました。
しかし、その成果は予想以上に発揮され、2011年当時は約600万人であった訪問客は、2015年にすでに2,000万人に迫るほどとなりました。そこで、政府は2016年、さらに観光立国化に力を入れるべく、新たな達成目標として、2020年までに4,000万人、2030年までに6,000万人の訪問客を実現するという目標を掲げ直します。
現在では、このときの目標が今も生きており、来年、東京オリンピックの年に初のインバウンド数4,000万人突破を実現すべくさまざまな方策を打ち出しています。2015年以降も外国人訪問客数は順当に伸び続け、昨年、2018年にはついに初めて3,000万人を突破しており、各種方針の成果は、着実に出ているといえるでしょう。
今後の日本政府の具体策とは?
・東京オリンピックの開催
いうまでもないことですが、2020年の東京オリンピック開催も大きなアピールチャンスの一つです。
オリンピックに向けて東京の再開発や外国人に対応できるスタッフの増員なども企業や自治体ごとに進められており、オリンピックをきっかけとしつつも、その後まで生き残るような対応力を育む動きが、首都圏を中心として広がっています。
・訪日プロモーション
観光庁では、日本への訪問客を増やすべく、世界各国でさまざまな訪日プロモーションを行っています。
すでに日本が旅行先として定着しつつある東アジアに加え、あまり旅行先としては定着していない欧米でも、外部コンサルタントなどを活用しながら宣伝キャンペーンを展開するなど、地域に応じた宣伝戦略が練られているのが特徴です。
・NICEの誘致と開催
NICEと呼ばれる、学術やビジネスにおける会議を開催することや誘致することにも力を入れています。
インバウンドには観光客以外にもビジネス目的での訪問者も含まれるため、直接的なインバウンド増加に結び付くからです。
また、ビジネスでの訪日から、レジャー目的で新たに日本旅行を企図する訪問客が出てくることを狙う意図もあります。
・通訳案内士の規制緩和
日本旅行の障壁の一つが、言語の壁です。
話者の多い中国語や英語、あるいはある程度互いに類似性のあるヨーロッパ諸国の言語などと異なり、日本語は日本特有で、ほかに類似の言語を持っている地域がほとんどありません。
このため、日本語の勉強は容易ではなく、日本語を十分に理解できない旅行客のための通訳ガイドの存在は必須になります。
もともとは通訳案内士になるためには一定の資格が必要で、この規制によって、通訳ガイドの数が限られていました。
しかし、2018年、政府はその規制を撤廃し、誰でも有償の通訳ガイドになる機会があるように法を改正して、外国人観光客の通訳ができる人材の増員を図っています。
・観光交流
観光客の受け入れを増やすには、他国との相互的な観光交流を図り、両国から互いに行きかう旅行者を増やすツーウェイツーリズムの考え方も重要です。
そこで、観光庁では、各国の観光担当部局のトップと交渉して、相互的な観光客の誘致を図っています。
また、その一環として、日本人の海外旅行への出国を増やすことにも力を入れています。
各国の日本へのインバウンド動向
それでは、早速ここ数年の各国からの訪問客の動向を調べてみましょう。
・中国本土からのインバウンドの動向
現在一番日本への訪問客が多い国は、中国です。
2018年には本土だけでも訪問客が800万人を超え、すべてのインバウンドの4分の1を占めるに至っています。
これは、2012年と比較すると6倍近い伸びで、各国の中でもかなり大きな伸び率だといえるでしょう。
・韓国からのインバウンドの動向
中国本土に続いて多くの訪問客を日本に送り出しているのが、韓国です。
韓国からは、2012年時点でも200万人以上の訪問客がいましたが、2018年には750万人まで伸び、中国本土にこそ抜かれたものの、両者を合わせてすべての観光客の約半分を占めるほどになっています。
・台湾・香港からのインバウンドの動向
これに続くのが、2018年に500万人近い訪問客を輩出した台湾と200万人を超える訪問客を送り出した香港です。
台湾は2012年時点では中国本土よりも多くの訪問客を出していたものの、現在では本土に抜かれています。
とはいえ、2012年当時は約150万人しかいなかった訪問客が3倍以上に増えているので、やはり大きく成長しているといえるでしょう。
香港からの訪問客は、2012年当時は50万人弱だったところが4倍以上に伸び、現在では米国以上の訪問客を送り出す地域になっています。
・米国からのインバウンドの動向
中国や韓国などの東アジアからの訪問客が大きく伸びたのと比べるとそこまで大きな伸び率ではないのが、米国からの訪問客です。
2012年当時はまだ、ビジネス目的の訪問客が全体の3分の1近かったこともあり全体4位に入っていましたが、2018年には香港に抜かれています。
とはいえ、米国からの訪問客も2012年当時は約70万人だったところが、2018年には150万人を突破し、2倍以上の成長を見せているのは確かです。
・東南アジア諸国からのインバウンドの動向
2012年当時は、訪問客数の上位10ヶ国には、イギリスやカナダなどの英語圏の先進国がランクインしていましたが、それに代わって昨今急速に台頭しているのが、東南アジア諸国です。
2018年には訪問客数100万人を突破したタイをはじめ、フィリピンやシンガポール、マレーシアなどの新興国からの訪問客は2012年から2018年までに、軒並み3倍以上の高い成長を見せています。
その結果、北アメリカを抜いて、東アジアに次いで多くの訪問客を輩出する地域になりつつあります。
さらに拡大する在留外国人
インバウンドプロモーションの重要性として、他の記事でも記述している通りではありますが、インバウンドだけでなく日本で暮らす在留外国人も増えてきており、インバウンド対策や日本の労働力確保問題においての解決策としても大きな期待が向けられております。
しかし様々な企業がインバウンド対策を進めている状況の中、企業の中では雇用の際のビザ関係のノウハウがないため外国人雇用に中々踏み切れないお話や、企業にマッチングする人材が見つからないなど、インバウンド対策の問題も散見されている状況です。
具体的なインバウンドプロモーション方法
インバウンドプロモーションにも様々な方法があり、ターゲットとなる国のインバウンドによっても最適方法が変わりますし、取り扱っている商品やサービスによってもその方法を見極める必要があります。 具体的な例を下記にあげます。
<具体例>
・訪日外国人観光客が多くご来店する自社運営店舗にて、通訳販売員が常駐することによりインバウンドプロモーションを実地することで、お客様が快適にお買い物いただく環境を整備する。
・訪日外国人観光客が気軽に飲食店にご来店いただくために看板やメニューに多言語を活用し、さらに快適に食事を楽しんでいただく為に、通訳接客員を常駐することでインバウンドプロモーションからの集客効果を望むことが出来る。
・自社サービスを訪日外国人観光客にPRし売上向上のツールとして、多言語を使用したSNSやWEBにてインバウンドプロモーションを実地する。
上記のように実際のインバウンド対策は専門性の高い分野となっており、インバウンドプロモーションの専門人材に特化した弊社では、インバウンドコンサルティングも行っておりますので、もし通訳者やインバウンドプロモーション関係のお悩み事がございましたら、是非弊社へご相談ください。お気軽にお問い合わせをお待ちしております。